これから、投資目的で太陽光発電システムを購入したいと考えている人は、きちんと予算のシミュレーションを行いましょう。直流電力から交流電力に変換するだけではなく、売電するときにも、パワーコンディショナーは重要な役割を担っています。投資目的の人におすすめのものを紹介するので参考にしてください。
パワーコンディショナーってなに?
用語の定義から見ていきましょう。
ソーラーパネルと同じように必要不可欠なもの
太陽光発電システムに、搭載されている装備のなかの1つです。ソーラーパネルと同じように、必要不可欠なものです。太陽光パネルのように、広く認知されているものではありませんが、発電した電気を住宅のなかで使用できるようにする役割と、発電した電気を売却する役割を担っています。どのようなものを選択すればよいのか分からない人もいるでしょう。自分の目的などに応じて選択していきましょう。
発電した電気を住宅のなかで使用できるようにする
発電した電気は、パワーコンディショナーによって、住宅で使用できるようになっています。その理由は、太陽光発電システムで生み出された電気は直流電力だからです。家庭で使用している電気は交流電力なので、パワーコンディショナーによって、直流電力から交流電力に変換しなければいけません。太陽光発電を始める人は、太陽光パネルだけではなく、パワーコンディショナーの価格なども確認しておく必要があります。
発電した電気を売却する
発電した電気を家庭内で使用するのか、売却するのかを判断して、電圧を調整する役割も担っています。余剰分の電気を、電力会社に売却できるのですが、そのための調整を担っていると覚えておきましょう。1年を通して使用する電力は、まったく同じではありません。
あまり電気を使用しない季節は、余剰分をそのまま放置するのではなく、売却できるようにしましょう。電力会社により価格は異なりますが、家庭内の電気代を抑えられるだけではなく、売却することで収益化も図れるので魅力的です。初期費用で投資した分を、早く回収できるようにしましょう。
災害が発生したときに安心できる
災害が発生したときに、非常用電力として活用することも可能です。家庭用の調理器具や照明を使用できるので、ストレスを溜めることなく生活が送れそうです。日中は、太陽が昇っているので発電できます。夜間は、日中に発電した電気を使用するとよいでしょう。
屋内型の特徴
主に、住宅用の太陽光発電で活用されています。こちらを設置するときに配慮しなければいけない点は、運転音と放熱です。寝室やリビングなどの付近に設置すると、運転音が気になって、リラックスできないかもしれません。
また、近隣住民の迷惑にならないように、隣家の寝室やリビングの付近に設置するのも避けた方がよいです。また、放熱するために、熱のこもりにくい場所を選定する必要があります。一般的には、脱衣室や廊下などに設置する家庭が多いです。そのほかには、風雨による経年劣化がしにくい、サイズが小さい、湿度が高い場所には不向きという特徴があります。
屋外型の特徴
主に、産業用の太陽光発電で活用されています。メリットは、風雨に強くて劣化しにくいということと、場所を選ばずに設置できるということです。屋外に設置することを想定して設計されているので、屋内型と比較すると、劣化しにくいメリットがあります。また、防塵機能も高いので、設置する場所を選びません。
デメリットは、屋内型と比較すると費用が高額になるということです。そのため、設置するときは、予算オーバーにならないように注意しなければいけません。なお、屋外型には集中型と分散型があります。
集中型の特徴
こちらの狙いは、1台あたりの容量を大きいものにして、できる限り少ない台数で運用するということです。こちらのメリットは、少ない台数で運用するので、初期費用を抑えられます。また、メンテナンスや点検を受けるときも、台数が少ないのでイニシャルコストが抑えられます。デメリットは、1台が故障するとダメージが大きいということです。代わりが無いので、その分ロスが増えてしまいます。
分散型の特徴
こちらの狙いは、1台あたりの容量を小さいものにして、台数を増やして運用するということです。こちらのメリットは、故障したときのダメージを少なくできます。こちらのデメリットは、台数が増えるので初期費用が高額になります。また、メンテナンスや点検を受けるときも、台数が多いので、イニシャルコストを抑えるのは難しいでしょう。ただし、故障したときのダメージが少ないので、一定のポテンシャルは発揮できるようになります。
投資用なら「三相屋外集中型」が一般的
賢く効率的に投資できるようにしましょう。
集中型で初期費用を抑えられる
分散型を選択するよりも、集中型をおすすめします。その理由は、いつ発生するか分からない不具合のために、初期費用やイニシャルコストを負担するのはもったいないからです。また、設置する台数が多いと、そのぶんスペースも確保しなければいけません。集中型で初期費用を抑えて、まずは投資した分を回収できるようにしましょう。
変換効率が選ぶときの基準になる
直流電力から交流電力に変換するときに、ロスが発生します。変換効率が高いと、その分電気を無駄にしてしまうため、パワーコンディショナーと太陽光パネルは相性のよいものを選択しましょう。ただし、メーカーが公表している数字は、参考程度に留めておくことが大切です。
容量が選ぶときの基準になる
太陽光パネルの出力値に合わせるようにします。産業用のパワーコンディショナーの場合は、10kW、20kW、30kW、40kW、50kWがあります。住宅用であれば、10kW以下のものになるでしょう。
価格が選ぶときの基準になる
太陽光パネルの次に、コストが発生するといわれているのが、パワーコンディショナーです。費用全体の10~20%を占めるので、予算オーバーにならないように気を付けてください。分散型であれば25~50万円程度、集中型であれば100万円以上になります。
パワーコンディショナーの寿命
半永久的に使用できるものではありません。そのため、太陽光発電システムを継続して使用する人は、イニシャルコストも考慮しておきましょう。
電気機器と同じように劣化して寿命を迎える
家庭で所有している冷蔵庫やエアコンと同じように、劣化して寿命を迎えるので、半永久的に使用できるものではありません。10~15年程度の寿命といわれています。ただし、点検やメンテナンスをきちんと行った場合を想定しているので、使用状態がよくないと、寿命が縮まってしまうでしょう。
修理対応が難しいので交換になることが多い
業者に修理を依頼することになりますが、実情として修理対応が難しくなっています。その場合は交換になるので、その分の費用も、最初に購入するときに考慮しておかなければいけません。また、交換は短時間で終了しないので、その日の売電収入が0になることを想定しておきましょう。
メーカー保証期間は慎重に検討する
一般的に、10年がメーカーの保証期間となっています。保証期間内に不具合や故障が発生したときは、業者に連絡を入れると、無償で対応してもらえる可能性が高いです。また、保証期間を延長するサービスを提供している場合があります。有償になりますが、15年の保証期間が設けられる場合があります。ただし、保証期間を延長するか、パワーコンディショナーを交換するのか、慎重に検討したほうがよいでしょう。収益性が見込めない場合は、そのほかのプランも考えておきましょう。
まとめ
電気料金は、世界情勢などの影響を受けて変動するものです。そこで、太陽光発電システムを活用して、電気を自分たちで作り出せれば、そのような変化に一喜一憂しなくなります。ただし、太陽光発電システムを導入するための費用やスペースなどを考慮しなければいけません。イニシャルコストも発生するのでシミュレーションを欠かさないようにしましょう。