太陽光発電システムを導入するなら、なるべく効率よく発電し、収益につなげたいですよね。太陽光パネルは基本的にどんな場所にも設置できますが、設置の場所や角度によって発電効率は大きく変わります。どんな設置場所が太陽光発電に向いているのでしょうか。今回は、太陽光発電を行うのに最適な設置場所や条件を紹介します。
太陽光パネルの設置する前にチェックしたいこと
太陽光パネルは、設置環境によって発電量が大きく変わります。太陽光発電システムの性能よりも、設置場所が発電量を左右するといっても過言ではありません。どんな場所が太陽光発電の設置に適しているのでしょうか。おもに3つの視点で、太陽光パネルの設置に適した場所かどうかが判断できます。
日射角度
日射角度は太陽光発電システムの発電量に大きな影響を与えます。太陽光パネルがもっとも効率よく発電できる角度は30度。太陽光パネルを水平に設置したときと比較すると、発電量は10%程度の差が生じるといわれています。しかし発電量が最大になる設置角度は、地域や設置場所、季節によっても異なります。設置場所や角度は、専門業者に相談して決めましょう。
日照時間
日照時間が長いと、太陽光発電が電力を作る時間も長くなり、より多くの発電量が期待できます。太陽は時間とともに移動しているため、太陽光パネルの設置場所によっては日照時間が短くなります。しかし太陽光パネルの設置場所や取り付け角度を工夫すれば、日照時間を長くできるでしょう。
パネルの温度
太陽光発電システムで利用するパネルをモジュールといいます。太陽光発電は、このモジュールの温度が関係しています。太陽光発電は気温の高い真夏の方が、発電量が多いイメージがあるでしょう。しかしモジュールは高温で発電効率が悪くなる傾向にあります。そのため、気温が高くなりすぎない場所に太陽光パネルを設置するのも、重要なポイントです。
収益を高めるには用地選びも重要
太陽光発電には、日差しを遮るものがない、傾斜が無い、海岸から離れている、土地価格が安いなどの条件下が最適です。日差しを遮るものがない土地は、太陽光が十分に当たります。太陽光発電は太陽光のエネルギーを活用して発電しています。太陽光パネルのそばに木や電柱があると、時間帯によっては日光が遮られ、日陰になってしまうでしょう。なるべく一日中、日光があたるような場所を選定しましょう。
また、傾斜の無い土地もおすすめです。太陽光パネルを効率よく発電するためには、30度程度が適しています。傾斜のある土地では、太陽光パネルを安定して設置できません。安定して設置するために土地を切り開いたり、頑丈な基礎を取り付けたりと、余計なコストがかかる可能性もあります。傾斜のない土地に太陽光パネルを工夫して設置すると、費用をかけずに効率よく発電できるでしょう。
海に近い地域では、塩害にも注意が必要です。塩害を受けた太陽光パネルは、トラブルや故障を引き起こす可能性があります。もちろん、土地価格の安さも重要なポイントです。いくら好立地であっても、土地価格が高いと初期費用を回収できません。太陽光発電システムの設置には、相当な広さが必要です。なるべく安い土地を探すと、大幅にコストを削減できます。
投資を成功させるには
太陽光発電による売電収入では、安定した収益が期待できます。とくに専門的な知識も必要ありません。余剰土地を活用して運用できるでしょう。しかし、運用方法を誤るとうまく運用できない可能性があります。太陽光発電投資を成功するためには、設置場所の選定が重要です。先述したように、日射強度や日照時間などの条件に合う土地を選定しましょう。また、定期的なメンテナンス実施も必要です。太陽光パネルは基本的に故障が少なく、寿命が長い製品です。
一般的に太陽光パネルの寿命は25~30年といわれています。しかし太陽光発電システムの保障期間は10~15年ほど。保証期間を過ぎてから、交換が必要になる可能性が高いでしょう。早期の劣化を防ぎ、少しでも長持ちさせるには、日常的なメンテナンスや点検が重要です。
太陽光パネルを目視でチェックし、ヒビや破損、断線がないかを確認しましょう。パネルの上の落ち葉や動物のフンを取り除くのも忘れずに。こまめな清掃や点検で、パネルの寿命を伸ばせます。また専門業者に依頼する定期点検も欠かせません。そもそも太陽光発電は、定期点検が義務付けられています。設置の1年目、5年目、9年目と、4年ごとに実施しましょう。
まとめ
太陽光発電に用いる土地には、面積の広さと日当たりの良さが求められます。ただ、狭い場所にも設置はできますが、ある程度の広さがないと効率が悪くなる点には注意が必要です。太陽光発電システムの設置場所は慎重に選定しましょう。なお、これまで畑や田んぼに利用していた土地に太陽光発電システムを設置する際は、農地転用の手続きが必要です。都道府県知事に必要書類を提出し、許可を求めましょう。設置後は、日常的なお手入れと定期的な点検を忘れてはいけません。手入れを怠ると、発電効率が下がるだけでなく、太陽光発電システムの劣化を進めてしまいます。