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太陽光パネル設置が義務化になる?義務化したらどうなるのか

公開日:2022/06/15  最終更新日:2022/06/10


太陽光発電システムが販売され始めて20年以上経ちましたが、2021年に東京都で新しい動きがあったことをご存知でしょうか。東京都知事が、一戸建て住宅を含む新築物に太陽光パネル設置やゼロエミッション車の充電設備の設置を義務付ける制度の導入に向けて動き始めました。ここでは、義務化の内容や課題、今後の投資への影響についてご紹介します。

都内で太陽光発電の設置が義務化されるってホント?

東京都知事は2021年第三回の都議会定例会における所信表明の中で、数十年にわたって使い続ける住宅等の建物の性能を環境面・防災面にも優れたサステナブルな性能に転換することを目指すことを述べました。それに伴い、新たに一定の新築建造物に対して太陽光発電設備の設置を義務付ける制度の導入に向けた検討を開始しました。対象となる建物の面積や規模、開始時期などについて専門家と議論を重ね、2030年には新築住宅の6割に太陽光発電を設置することを目標としました。

この目標を実現するためには、他の再生エネルギー電源と比較して建設までのリードタイムが短い太陽光発電を伸ばすことが重要となりますが、太陽光発電の導入量は伸び悩んでいるのが現状です。背景としては、大規模な発電所を開発するための土地が減り、自然環境や景観が損なわれることへの地域住民の反対などがあげられます。

ただ、導入義務化については、すでに京都府と京都市が2,000㎡超の建築物への再生エネルギー設置を義務化する制度を導入しており、今後300㎡以上の建築物も対象となる予定です。東京都が設置義務化を導入することで、政府の目標実現に近づくだけでなく、他の自治体へも良い影響がおよぶことが期待されます。2022年第二回の定例会では太陽光パネルの設置を義務付ける方針を固め、2020年度内に関連条例を改正することを目指しています。

具体的には、設置義務は建築主ではなく、住宅メーカーなどの施工者側に課せられます。注文住宅だけではなく大規模マンションなども対象となります。ただ、義務化の対象は施工者の規模に配慮して、供給実績や年間の施工が延床面積2万㎡以上の施工者に限られます。太陽光パネルは日照条件等を考慮して販売数の85%程度を想定して、都内で年間に販売される新築住宅の5割強が対象となる見通しです。

住宅価格が上昇する?課題はまだ多いのが現状

太陽光パネルの設置義務化への制度改正が進むなか、さまざまな課題が浮き彫りになってきています。脱炭素化を加速できるかどうかは、課題を解決できるかがカギになりそうです。

■コスト面

一番の課題とされるのがコストです。太陽光発電を利用するためには太陽光パネルの設置だけでなく、パワーコンディショナーの導入・設置が必要です。導入時にもコストは必要ですが、導入後も定期メンテナンスの費用や保険料、機器の修理や交換など維持費が必要になります。戸建て住宅に設置する一般的な太陽光パネルは100~300万円です。

設置するパネル数やメーカーによっても金額は異なりますが、近年住宅価格が上昇している状況下でパネルの価格を上乗せすることになると、住宅購入のハードルが上がることが懸念されます。太陽光パネルの低コスト化や導入コスト削減の実現やシステムの長寿命化による維持費の軽減などに対する国や地方自治体のサポートが求められています。

■技術面

太陽光発電は太陽光をパワーコンディショナーで電力に変換することが必要なため、地形や気象条件によって発電量が大きく変わります。土地によっては向き不向きがあるため、同じ水準の設備を導入しても、日照量が少ない地域では効率的に発電することができません。技術的・構造的に見て、どのような条件であっても活用できるシステムの普及が求められています。

■安全面

太陽光パネルは通常屋外に設置するため、自然災害によって破損する可能性があります。浸水などで破損した設備に接触すると感電の恐れもあり、また破損して飛散したパネルが近隣住宅に被害を及ぼす危険性も指摘されています。また、設置不良による火災なども想定されるため、安全性の向上が大きな課題となっています。

■予算面

東京都は2022年度、新築住宅への断熱性能・省エネの整備や太陽光パネルの設置を促進するために100億円以上を計上し、一般家庭の太陽光パネルの設置費用の補助や災害対策名目での太陽光パネルの設置にあてるとしています。義務化が確定した場合には、追加の補助金額が必要となりますが、税金が使われているため、促進のための補助金を捻出し続けるのは適切ではないという意見もあります。

今後の投資への影響は?

2022年7月から、太陽光発電の廃棄費用の積立制度が始まります。今までも運転開始後に積立の進捗状況を報告することは義務化されていましたが、水準や時期は事業者の判断に委ねられていたことから、実施率は低い状況でした。制度が開始されると、FIT(固定価格買取制度)による認定事業者が積立を怠った場合には、国からの指導や改善命令、認定取り消し措置の対象となりえます。積立制度が始まることで投資への影響はあるのでしょうか。

■積立について

制度の対象者は10kW以上の設備を有するすべての太陽光発電事業者で、全量・余剰売電は問いません。積立方法は、売電量から源泉徴収的に差し引かれ、電力広域的運営推進機関に自動的に積立てられます。買取単位ごとに基準額が定められており、積立基準額×売電電力量が積立金額です。積立の開始・積立時期はFIT終了前10年間です。基本的に積立金額は全額取り戻しができます。

■投資家の負担

FITの価格は初期費用の回収と廃棄費用を賄ったうえで利益が出るように設定されているため、積立の義務化が始まっても負担が増えるわけではありません。もともと廃棄費用を考慮して利回りを想定していれば、利回りへの影響もありません。

■低リスク

積立の義務化だけでなく、維持管理費用がかかるイメージの強い太陽光発電投資ですが、安全に運用するための必要経費であり、ほかの投資商品と比較しても、収益が安定しているためリスクは低く、相場に左右されることも少なく、長期投資に向いている商品であるといえます。

■物件の選び方

積立制度が始まると、発電量に応じてkWhごとに一定額を積み立てる必要がありますが、太陽光発電の売電量に差があることで、定額にしてしまうと積立を続けること難しくなることもありますので、kWhあたりの単価にすれば、無理のない積立を続けることが可能です。物件を選ぶ際に積立金の捻出を考慮して、なるべく利回りのいい物件を選ぶことが重要です。

■行政のサポート

環境省では、地方自治体や民間企業などが駐車場や屋根に太陽光発電を設置し、その電力を建物内で利用する自家消費型の太陽光発電の導入を推進しています。第三者所有モデルといわれるオンサイトPPAモデルやリースモデルで導入すれば、初期費用ゼロで始められます。リースモデルでは、発電した電気はすべて需要家のものになり、自家消費をして余った電力を売ることも可能です。

 

太陽光パネルの設置の義務化が決まるとともに、廃棄費用の積立も義務化され、国や地方自治体が理想とする2030年度温室効果額削減目標達成に向けてさまざまな制度が整いつつあります。環境に配慮した投資として、長期的に安定した収益を得られる投資として、太陽光発電投資を検討してみてはいかがでしょうか。

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