昨今、環境に優しくまた投資での収益が上げやすい発電方法として注目を浴びている太陽光発電。
ただ、いざ発電所・発電パネルを設置しようと思っても、どんな場所が良いか分からないということはありませんか。
そこで、今回は発電所の設置場所を選ぶポイント等をお伝えします。
発電所の設置場所を設置できる場所、場所選びのポイント
発電所の設置場所はどこでも良いという訳ではなく、システムの特性上、発電効率が良くなる場所やできる限り多くの発電量を得られる場所に設置する必要があります。また財団法人新エネルギー財団が提示する、「住宅用太陽光発電システム設計・施工指針及び同指針補足」にて設定された基準においても、一部項目として示されており、以下の内容になります。
※1 取り付け後に予想される荷重に耐えられる強度と構造を持った建物であること
※2 南向きの日当たりのよい場所に設置すること
※3 豪雪地域では許容積雪量を確認すること
※4 電気機器の設置については、規定を守ること
またエリアや気温については比較的温暖な地域が理想と言われますが、北海道などの冬場の降雪量が多い地域でも多く発電所が設置されています。なぜなら、温暖な地域だと夏は熱による発電効率減少のリスクがあるためです。一方で降雪量が多い地域では、夏場でも気温上昇の影響を受けにくいというメリットがあります。
ただし、冬になると降雪があるため、発電量が下がってしまいます。そのため、一概にこの地域が絶対に良いというよりは、どの地域であっても、その環境下の状況やケースに応じて対応していくのがベストです。
また方角は東側や西側より南側のほうが特に日射量の確保ができますが、時間帯が午前~午後の時間帯に限られてしまいます。ですが、東側であれば日射量は南側より減少するものの早朝~夕方までの広い時間帯で日射時間を確保できます。そのため、これはどのくらい発電量が欲しいかによっても変わってくるでしょう。
後は、海風による塩害を避けるため海沿いでない場所を選ぶ、また住宅にパネルを設置する場合、屋根は広めで角度は30度前後の南向きに設置すると良いですが、これは大きさや種類に応じて選ぶのが良いでしょう。もし環境の条件関係なく発電量を確保したいという場合には、気温変化の影響を受けにくいパネルが販売されているため、それを使ってみると場所問わず効率よく発電しやすくなると思われます。
また屋根に設置する際は高層ビルなどで日光が遮光されにくい場所を選びましょう。また自然が豊かな場所でも木がたくさん生えている場所だと遮光されてしまうため、気を付けましょう。また狭い場所だと単純に日射量が減少するため、広い場所を確保したほうが効率が良いです。
次に住宅用のソーラーパネルの設置についてご紹介します。
住宅用発電パネルの設置について
住宅に設置する場合、屋根に設置することが多いですが、屋根にもいくつか種類があります。具体的に挙げると、4方向に流れた寄棟屋根、大きく二手に流れが分かれる切妻屋根、片流れ屋根、陸屋根・折板などがあります。
他にも入母屋や瓦屋根などがありますが、これらは構造や素材の関係上設置するのが難しく、特に瓦屋根の場合はひび割れなどのトラブルが発生しやすいため、少々リスクが高いです。ここで屋根の種類と特徴について、解説します。
寄棟屋根…形は台形や三角形、専用のパネルを使用します。スペースを無駄にせず設置可能なのがメリットです。
切妻屋根…面積が大きく、一面全体に太陽光が入りやすいため、効率的な発電が可能です。設置スペースも確保しやすく、導入コストも抑えやすいメリットがあります。
片流れ屋根…一方向きだけに傾斜した屋根。屋根が片面のみのため、一見日射量が減ると思われがちですが、方角や角度を配慮すれば十分な発電量を確保できます。
陸屋根・折板…架台で角度をつけて設置が必要なため、コストが割高になる傾向があります。ですが、他の屋根と比較して裏面に出来たすき間からパネルが冷やされパネルの過熱が抑えられるため、発電効率が上がりやすいです。
また、発電パネルには屋根の上に設置する屋根置き型と、屋根材と太陽電池パネルが一体化した屋根一体型があり、屋根置き型は屋根一体型のものより発電効率が良く、設置費用も安価に済みやすいです。ただし景観を重視する場合は、綺麗に見えやすい屋根一体型を選んでも良いでしょう。また、断熱効果は屋根置き型のほうが効果が高いです。
次に発電パネルを選ぶ基準も併せてご紹介します。
発電パネルを選ぶ基準
発電パネルを選ぶ基準として、主にパネルのサイズ、耐久性、保証内容の充実度、機能性、費用などが挙げられます。パネルのサイズは小さめのものから大きめのものもあり、設置する屋根の大きさに応じて決めると良いでしょう。
耐久性は天候やパネル内にこもる熱に対する耐久、外からの異物の衝撃などの耐久性を指します。保証内容はメーカーが定める万が一の損害時の保証、機能性とは発電の効率性、生成されたエネルギーの変電効率のことを指します。また、費用はパネルのサイズや性能等で価格帯が異なってきます。
また上記で挙げたそれぞれの項目とコストとの兼ね合いについては、安ければ良いとは限りません。ここで項目毎に基準の詳細をご紹介します。
パネルは大きさが大きいものほど、耐久性も耐久性が最低限や標準程度よりも高いもの、保証は保証期間や内容が充実しているもの、機能性は変電効率が良い物ほど、製品の価格は高くなりがちです。
しかし、一概には言い切れませんが、価格が高い製品は発電量が増え、不具合が起きるリスクも少なく、不具合発生時に無償で修理を行ってくれることが多く、また発電された電気を効率よく利用でき、売電できる発電量が増える傾向があります。また、費用については主にソーラーパネル単体の購入費用と設置費用で決められ、どのような材質やサイズ等で値段も変わります。
また太陽光発電の場合、高価格でも高性能であれば電力会社に売電することで、導入時の初期費用支出分の回収が早くできることがあります。そのため、ソーラーパネルの購入を検討する場合には、設置する場所の屋根の材質や形状など、設置場所の条件や状況次第で費用に差が生じます。ここで費用が抑えられる具体的なケースを出すと、
例1:屋根の素材がスレートの場合は瓦屋根よりも設置費用が抑えやすいです。
例2:屋根の面の数は3面屋根より1面屋根のほうが設置数が少ないため、単純なソーラーパネルの購入費用が抑えられます。
そのため、高価格製品であっても、一見購入価格が高くても総コストが安く抑えられる製品もあります。また設置する屋根の大きさや家庭の条件、見積書に記載のある1kWあたりの単価などによっても購入可能なパネルも異なるため、迷ってしまったり、決めるのに時間が掛かりそうな場合は、専門業者と相談しながら決めるのが良いでしょう。
まとめ
今回は発電所・発電パネルの設置場所の条件や、発電パネルを選ぶ基準をお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか。太陽光発電の発電量を増やすためには、設置場所の条件等をよく検討し決める必要があります。またパネル購入時も設置場所の状況等を考慮して、検討する必要があります。是非ともこの記事を参考にしてみて下さい。