太陽光発電への投資を考えるに当たってまず気になってくるのが、全体の費用や利回りではないでしょうか。
今回は太陽光発電投資に必要な費用の相場と、そこから得ることのできる収益についてご紹介したいと思います。
コストを理解してより効率的に太陽光発電投資を利用しましょう。
太陽光発電投資でかかる費用の相場とは
太陽光発電投資は発電した電気を電力会社に売ることによって収益を得る仕組みの投資方法です。その為には当たり前ですが発電システムの設置と設置するための土地が必要です。
そして太陽光発電の初期費用の相場に関しては、設置する太陽光発電パネルの規模によって大きく異なってきます。一般家庭用の発電システムで投資をするのか、産業用の大規模な発電システムで投資をするのか、自分の予算に合ったものを選びましょう。
・5kw程度の太陽光発電の場合
一般的に自宅で太陽光発電をする場合3kw~5kwの発電が理想的といわれています。そして、一般家庭で太陽光発電投資を行う場合、住宅用太陽光発電パネルを自宅の屋根に設置することが多いです。自宅の屋根を使って太陽光発電をすると考えると、設置場所の面積の確保は限られたものになりますし、確かに丁度いいのかもしれません。
初期費用はメーカーによって金額の差はありますが、この規模だと170万円~200万円弱が平均相場です。しかし、一概にこの金額で済むとは限らず、パネルを設置する環境によってはもっと料金が掛かってくる場合があります。
北海道などの大雪が予想される地域は、雪の重さに耐えることのできるパネルを設置する必要があるため、その分パネル自体の金額が上がります。他にも屋根の傾斜がない屋根の構造である場合や、太陽光パネルを設置する面が増えるほど初期費用はかさむので、太陽光発電投資を考えている方はパネルを設置する環境をしっかり把握しておきましょう。
・10kw以上の太陽光発電の場合
10kw以上の太陽光発電は「産業用」に分類されます。産業用と聞くと企業でしか取り付けができないように思えますが、設置場所が限られているわけではありません。一般的に業務用として10kw以上の太陽光発電を行う場合が多いためこの名称がついています。(ちなみに10kw以下は「家庭用」に分類されます。)
発電量が多いということは、設置するパネルの数も増えるのでそれだけスペースの確保が必要になります会社の屋上など既に大きな敷地が用意できる場合は問題ないと思いますが、一般家庭だと新たにスペースを用意しなければならないこともあるでしょう。更に発電量に応じて電線の太さも変更しなければなりません。
初期費用の相場は1,000万円~2,000万円程となっています。家庭用と比べると一般家庭で産業用を扱うのは少し敷居が高く感じますね。
・50kw以上の太陽光発電の場合
50kw以上の太陽光発電システムを導入する為にはいくつか手続きが必要となります。電気事業法によって発電量が50kw未満の場合は「低圧」「一般電気工作物」に、50kw以上は「高圧」「自家用電気工作物」に分類されています。よって工場や発電所などの発電量が極めて多い施設は自家用電気工作物です。
法律上、50kw以上の太陽光発電システムを設置する場合国への届出と手続きが必要になり、システムを設置する際は資格を持った認定電気工事従事者が作業を行わなければなりません。更に、区分が高圧になった場合、「キュービクル」という変圧器を発電システム以外に設置する必要があります。
また、50kw未満の場合とは電力会社との契約内容が異なり、他に影響を及ぼす危険性がないか、事前に話し合う期間を要します。検討する為に別途費用を支払わなければなりませんし(大体21万円程度と言われています)、2~3ヶ月は時間が掛かるでしょう。
このように、50kw以下の発電量の場合に比べて時間も費用もかさんでくることがわかります。その為産業用太陽光発電を行う場合はギリギリ50kwを超えないようにパネルを設置する場合が多いようです。
■費用以上の利益は期待できるのか
では、初期費用が安くすむように電力をなるべく抑えた方が良いかと言うとそうでもありません。
単純に考えて同じ環境下で太陽光発電パネルを多く設置した場合と少なく設置した場合とでは、発電量は多く設置した場合の方が多くなりますよね。その分電力会社に売ることができる電力も増えていきます。よってより早く初期費用の額に到達する場合もあるのです。
初期費用は大なり小なり必ず掛かってきます。初期費用だけ見ると安いほうがお得に感じられるかもしれませんが、長い目で考えると一概には言えないのです。
・土地付き太陽光発電
より大きな利益を得る為には、設置する環境を把握しておくことが重要となります。
上記で触れましたが、太陽光発電投資のための費用は太陽光発電パネルの代金だけではありません。工事費や周辺機器の費用、取り付けるスペースがない場合は土地代も掛かってきます。太陽光発電システムを設置する環境の違いによってかかる初期費用は大きく変わってくるのです。
販売メーカーによっては「土地付き太陽光発電」を導入しているところもあります。これは、住宅用太陽光発電のような屋根やカーポートに太陽光発電パネルを取り付けるタイプとは違って、敷地に据えつけるタイプの「野立て太陽発電」を土地ごと購入し、管理会社に運営してもらうシステムです。これなら元から土地や設備が整っていない人でも安心ですし、メンテナンスに関しても管理会社が行ってくれるので自分で業者を手配する必要はありません。更に利回りも安定しており、10%以上の物件が多数存在しています。太陽光発電投資を初めて行う方で、まだ十分な土地を所持していない方におすすめです。
しかし、販売メーカーによっては物件価格の中に土地代や工事代が含まれていない場合もあります。オプションとして追加料金が掛かるのか、追加される場合自分で環境を整えるのとどっちが安く済むのか、確認しておきましょう。
・格安表記に注意
例えば太陽光発電パネルを格安で手に入れることができたとしても、その他掛かってくる費用がかさめば全体で見たときの金額が大幅に増えてしまう場合もあります。逆に工事を格安で行うと、工事中に何かトラブルが発生した場合保証が効かず、トラブル改善の為に通常より費用がかさんでしまうことも。
太陽光発電システムを導入際は「自分がどこを重視したいのか」をはっきりとさせて、じっくり計画を練りましょう。
まとめ
現在、太陽光発電投資の売電価格は年々下降気味となっていますが、それは太陽光発電システムを導入する為に必要な費用が安くなっていることも表しています。また、株式投資などとは違い環境を整える準備にコストと手間が掛かる太陽光発電投資は、一般の方からすればハードルが高く感じられてしまうかもしれません。しかし、投資を始めるまでに掛かる費用と利益を考慮して、太陽光発電をうまく利用することができれば十分に利益は発生するでしょう。
費用を抑え、高い利益を得る為には「自分の資金に見合った規模であるか」「環境は整っているのか」まずはこの2点に着眼して考えてみてはいかがでしょうか。