近年では、環境に考慮した再生可能エネルギーが投資家の間でも注目されています。そのため、実際に投資をしてみようと考えている人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、数ある投資の中から太陽光投資と風力発電投資の違いについて紹介し、どちらが利益を望めるのかを解説します。今後の投資の参考してください。
再生可能エネルギーへの投資は安定した利益が望める
環境問題に配慮した取り組みとしてSDGsが注目されています。そのため、多くの投資家も再生可能エネルギーに対して大きな期待を寄せているのです。投資としての再生可能エネルギーは、太陽光投資や風力発電投資など自然の力を利用して発電したものを電力会社に販売して利益を上げる仕組みになります。
持続可能なエネルギーで環境に配慮し、かつ長期的に安定した収益が見込めるとして注目もされています。そもそも、再生可能エネルギーへの投資が、なぜ安定した収益率を誇るのでしょうか?実は2つの要因によって支えられているからです。それぞれ確認しておきましょう。
固定価格買取制度がある
再生可能エネルギーには固定価格買取制度(FIT制度)が採用されています。固定価格買取制度とは2017年に経済産業省が定めた制度の1つです。再生可能エネルギーから発電したものを電力会社が一定の価格で決められた期間買取ることを国が保証する規制になります。
買取期間は20年と決まっていますが、経済不況等の影響を受けずに同じ金額で販売できるため、長期的に安定した収益を上げることが可能なのです。しっかりと収益を得るための基盤が整っているからこそ、投資家からも期待されているのでしょう。将来の見通しを立てて投資ができるのは再生可能エネルギーならではの特徴です。
ローリスクな投資
再生可能エネルギーも投資である以上はリスクがついてきます。しかし、株式投資や不動産投資に比べるとローリスクなのです。たとえば、株式投資や不動産投資は売買する際に希望の価格で取引できない場合もあり、安く買いたたかれるリスクがあるでしょう。
一方の再生可能エネルギーは先ほどお伝えした通り、まず国によって買取価格が安定しています。そのため、収益面でのリスクが最小限に抑えられているのです。そして、自然の力を利用しているため、資源がなくなりにくい点も強みの1つ。株式投資のように破産・倒産リスクは起きないですし、不動産投資のように借り手が見つからないという心配もありません。
太陽光発電投資のメリット
それぞれの違いを知る上では、メリット・デメリットを把握しておくのが大切です。まずは太陽光発電投資のメリットを確認していきましょう。
知識がなくても始めやすい
太陽光発電投資は知識がなくても始めることができます。もちろん、知識を知っていることで理解が深まり投資が優位になる場合もあるでしょう。しかし、株式投資や不動産投資とは違い専門的な難しい用語を覚えなくても始められるのです。
なぜならば、太陽光発電投資は一度設置すれば、頻度に取引して売買することはないうえ、定期的なメンテナンス・管理も委託して任せることが可能だからです。また、固定価格買取制度のおかげで、毎月自動で収益を確保することもできます。そのため、初めて投資をする人でも簡単に始められる点はメリットです。
融資が受けやすい
太陽光発電投資を行うには初期費用として約1500万円~2500万円が相場として掛かります。個人でこれほどの大金を用意するのはハードルが高く、ローンを組む方が大半でしょう。そのため、太陽光発電投資用ローンが適用できるのです。借入先として銀行や信用金庫などがあり、一般的なサラリーマンでも融資は受けやすい特徴があります。初期費用をうまく工面できるため、計画的に投資を始めることができるのはメリットの1つでしょう。
土地がなくても問題ない
太陽光発電投資ならば、土地を持たなくても始めることができます。なぜならば、分譲太陽光発電を行っている業者が土地と太陽光パネルをセットにして区画販売してくれる制度があるからです。分譲太陽光発電とは販売業者が一括で土地や設備を購入して保有しており、その中から区画に分けて販売してくれます。自分で土地や設備を一から揃える必要がなく投資を始めることができる点はメリットといえるでしょう。
初期費用を回収しやすい
太陽光発電投資は利回りが一般的に平均10%前後と高いです。利回りが高ければ、それだけ投資資金を短期間で回収できるメリットがあります。たとえば、1000万円の物件を購入して利回りが10%だった場合。年間100万円の利益が出ます。つまり、10年間で初期費用を回収できるのです。資金を早く回収できるのはメリットといえるでしょう。
太陽光発電投資のデメリット
太陽光発電投資のメリットを見てきました。次はデメリットを確認していきましょう。
出力制御の影響がある
太陽光発電投資は出力制御の影響を受けることがあります。出力制御とは、電力が消費量より多くなれば、発電量を抑えようとする措置のことです。電力量の需要と供給のバランスが崩れると出力制御が実行されます。電力量が供給過多の状態になることで、一時的に売電ができなくなるケースがあります。電力会社も必要以上に買取っても処理できなくなり、手持ち無沙汰になるからです。一時時とはいえ、利益に影響を与える問題なのはデメリットといえるでしょう。
天候に左右されてしまう
太陽光発電投資は太陽の光を受けて発電します。そのため、天候の状況によっては、発電量を安定して確保するのが難しくなるケースもあるのです。販売できる量が乱れてくると収益の見立てがつかなくなるデメリットがあります。天候の変化は自然現象であるため、自らコントロールできない点は大きなアドバンテージになるでしょう。
風力発電投資のメリット
ここからは風力発電投資のメリットを確認していきましょう。メリットから、どちらが自分に適しているのか判断するヒントになります。
メンテナンスの手間が掛からない
風力発電投資は自らメンテナンスを行う必要がありません。そもそも、風力発電のメンテナンスをするには電気事業者の資格が必要なのです。そのため、専門業者が一括して対応してくれます。
一見、シンプルな構造のように見えますが増速機や発電機など専門的な知識がないと扱えない機器があるため、自ら点検・メンテナンスをするのはおすすめしません。経費が発生しますが、専門知識を持ったプロに管理してもらえるのは手間も掛からずメリットといえるでしょう。
環境に優しい
風力発電投資は、廃棄ガスや化学物質を排出しない環境に配慮した優しいエネルギー投資です。近年ではSDGsに対して関心が寄せられ、一部の企業でも持続可能な再生エネルギーを取り入れているところが多くあります。
24時間発電が可能
太陽光発電投資とは違い風力発電投資は天候や日照時間による発電制限を受けにくい特徴があります。風が吹いていれば24時間発電することが可能です。効率的に発電していくことができる点はメリットといえるでしょう。
風力発電投資のデメリット
風力発電投資にもデメリットがありますから、自分が許容できるものがチェックしておきましょう。
故障トラブル
風力発電投資は各部品を駆動させて発電を絶えず行っています。そのため、部品が摩耗したり、劣化したりして故障につながるリスクが高いのです。また、落雷や台風などの自然災害の影響も受けやすく、最悪の場合は破損するケースもあります。風力発電投資は故障や災害などに遭遇するリスクが高く、対応するための費用も掛かる点がデメリットといえるでしょう。
土地選びが難しい
風力発電投資は風の力で発電していますよね。そのため、風が吹かないような場所に設置しても効率的に発電できません。残念ながら、日本は山間部に囲まれていることもあり設置に適した場所が少ない傾向にあるのです。また、法規制や近隣住民への騒音などの配慮もしなくてはいけないため、場所を選ぶのが難しいのがデメリットの1つです。
まとめ
本記事では太陽光投資と風力発電投資の違いを紹介しました。風力発電投資は、土地選びが難しく、メンテナンス・点検にコストが掛かる上に故障リスクも高い傾向にあります。何かと経費が掛かりやすいデメリットがあるといえるでしょう。一方の太陽光発電は知識がなくても始めやすく、故障リスクも低いため負担が掛かりません。したがって、利益面で比較すると太陽光発電投資の方がおすすめです。