太陽光発電のブームは過ぎましたが、技術革新によりさまざまな効率化が行われています。このような状況下で太陽光発電投資を成功させるには、太陽光発電装置設置の際に大きなコストとなる本体設置の価格や設置費用の費用を知り、初期投資に対する利回りを考えることが重要です。また投資のメリットやデメリットも知っていた方がよいでしょう。
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太陽光発電装置設置のために必要な場所の確保に関わるコスト
太陽光発電投資を行うためには、何をおいてもまず発電装置の設置を行わなければなりません。この装置の設置のためのコストの中でもまず第一に考える必要があるのが設置場所の確保です。投資の利回りを考えるとなるべく広い土地を安価で入手する必要があります。安価で広大な土地を手に入れるには郊外を探す必要があります。
この場合の太陽光発電のメリットは、通常の製品製造の場合と違って、トラックや鉄道などにより製品を運ぶ必要がないということです。最初に電線を供給先に繋ぐことができれば、その後はほとんど手間をかけることなく電気を売ることができます。
また、現在社会問題となっている過度の都市への人口集中を逆に利用し、東京から離れた土地価格の安い地方の過疎地に発電装置を設置すれば、その費用を抑えることも充分に可能です。しかし、東京などの大都市への電力の供給を目指す際には、インフラも充分でない場合が多く近隣の電力網に接続するための初期コストは大きなものになり、過疎地における太陽光発電のデメリットとなります。
太陽光発電装置設置のためのコスト
政府は、太陽光発電を普及させるために固定価格買取制度を設けています。その理由は、再生可能エネルギーである太陽発電は、水力発電や火力発電や原子力発電に比べエネルギー密度が低い太陽光を利用するために、電力会社が行う様な集中化によるメリットが得にくいためです。
他の発電法に比べ大面積での発電が必要で、一旦完了すれば発電装置に可動部がないために設置後に大きな経費がかかることはないのですが、どうしても発電装置設置の溜めの初期コストが多くかかるので太陽光発電の普及を阻害する要因となってきます。
固定価格買取制度では、この初期コストをある期間で完済できるように価格設定が行われていますが、最近では太陽光発電の買取価格が10年前と比較すると半分以下に下がって来ています。これが意味する事は、近年における技術開発により、太陽光発電装置の設置価格を含めた初期コストが下がっていることを示し、より少ない初期費用で太陽光発電投資が行える環境が整いつつあり投資のメリットが大きくなってきたことを示します。
普及にともなう太陽光発電装置の製造価格の変化
火力発電が引き起こす二酸化炭素による大気気温上昇の問題や福島原発問題などの原子力発電所の度重なる放射線漏洩が引き起こす放射線漏洩の問題に加え、発電のための資源をほとんど持たない日本にとって、ある意味で無尽蔵に得ることができえる太陽光を利用する太陽光発電は、他にはない恩恵を与えます。
この事から日本政府は再生可能エネルギー源である太陽光発電の普及に対し、固定価格買取制度に加え、さまざまの技術開発を国立研究所において行う事を推進するとともに、大学などへのこの分野の研究の推進を補助するなどの施策を重点的に推進し、太陽光パネルの製造を行う企業への研究助成や国立研究所が開発した新技術の供与を行ってきています。
その結果、太陽光パネルの発電効率は著しく向上しましたが、この技術開発により同じ電力量の発電に必要な太陽光パネルの面積を小さくすることが可能になって来ています。しかし、政府の固定価格買取制度はいずれなくなることが想定されますので、この制度が大きな後押しになっている現在の状況がどのように変化するかについて充分な注意が必要です。
災害時における太陽光発電のメリット
太陽光発電投資を行う際には、水力発電や火力発電や原子力発電などの電力会社から電力を供給する場合に比べたメリットについても充分に理解しておく必要があります。そのメリットが災害に関わるものであれば、投資を行うにあたっての大きな後押しになります。太陽光発電と電力会社から供給される電力の供給方法の違いは、分散発電か集中発電かということです。
この事は、台風などの大災害時の際に決定的な違いとなって現れてきます。集中発電方式では、各地方に数個ある発電所から各戸へ送電線を通じて供給されます。従って、大災害時に送電線が破損すると立ちどころに大規模な停電が生じてしまい、ただでさえ災害時において不自由な生活を送らざる得ない状況において2次的な事故が生じる可能性が高まってきます。
また一旦事故が起こった後の普及にも東京などの大都市の場合には長時間かかります。それに対し太陽光発電は、各家の屋根などに設置する事により状況に関わりなく発電を行うことができるため、その意味での太陽光発電のメリットは注目されます。
太陽光パネルの遮光断熱効果のメリット
東京などの大都市において現在一番普及している各戸に設置する太陽光発電装置のタイプの場合、太陽光発電装置の心臓部である太陽光パネルを屋上に設置します。屋根に設置することとして太陽光発電パネルは太陽光のエネルギーを電力に変換するわけですが、屋上と近接して太陽光パネル設置を行うことから、事実上屋根の厚さを増して家の断熱効果を増したことと同じ効果があります。
このことにより、夏季の気温が著しく高い際の直射日光からの熱戦を遮ることができます。最近は、夏の気温上昇が人命に関わるようになってきましたが、太陽光発電パネルを屋根に設置することでこのような厳しい環境から身を守ることができます。
また、強い太陽光で多くの発電量が得られるとともに、エアコンにより使用される電力も節減できるため一石二鳥のメリットがあります。さらに、冬の寒い時期についても断熱効果で暖房による使用電力の節減を行うことができるため、一年を通して省エネルギーと発電の両方のメリットが受けられ、他で使用する電力量を総合的に考えた費用回収という観点からもメリットがあります。
蓄電システムとの併用による利用の高度化
これは当然のことですが太陽光発電は、太陽光が注いでいないと発電を行うことができません。このことはある意味でこの発電方式のデメリットですが、蓄電システムを組み合わせることで、このデメリットを解消することが可能です。最近の技術革新によりこのシステムの技術開発も進んできていますので、太陽光発電装置からの電力を以前より高い効率で蓄電することができるようになりました。
また蓄電システムを併用することにより、一日の中でも照射強度が変化する太陽光の変化を補うことができるため安定した電力を得ることができます。電力供給の場合に重要とされる電力の質を高く向上させることになりますので、売電を考える際には重要なファクターとなります。
ただ問題点は、発電装置から充電装置への蓄電を行う際は電気エネルギーを一旦化学エネルギーに変える必要があり、充電装置から電力を取り出す際には化学エネルギーを電気エネルギーに変換する必要があり、必ず2回の変化を行わなければなりません。現時点では極めて高い効率で行える訳ではありませんので、太陽光の照射強度やその変動に加え利用状況を充分に考えることが必要です。
私達の身近で発電が可能である太陽光発電は、再生可能エネルギーの代表としてあげられる事が多く将来性のあり、この方法でなければ得られないメリットに加え、この方法固有のデメリットもあります。新たな投資先としては大変魅力的ですが、現在の固定価格買取制度が終了した後の状況を考え、初期投資に対する利回りを充分に考慮する必要があります。