投資をするからには利回りが良くて安定しているものを選び出すのが合理的だと考える人も多いでしょう。この観点では投資用太陽光発電はどのような性質を持っているのでしょうか。
現状として十分な利益を手に入れ続けられる状況があるのかどうかを理解しておきましょう。
安定性では突出しているのが特徴
どのような方法を選んだとしても投資は必ずリスクを伴うものなので、安定した利益を上げられるとは限らないのは確かです。
一般的には「ハイリスクハイリターン・ローリスクローリターン」と言われていて、大きな利益を得ようとしたらリスクが高いものを選ばなければなりません。どのくらいの利益を得られると期待可能かを判断するうえで役に立つ指標として知られているのが利回りですが、その安定性についても注意しなければならないでしょう。
想定されている通りの利益を投資開始の時点では得られたとしても、数年後にも同じような利益を得られるとは限らないからです。株式投資では投資先の会社の経営状況が数年で一転してしまうリスクがあります。不動産投資の場合には地域的に需要が上下するリスクがあるだけでなく、競合する物件が登場することによって空室が発生してしまうことも珍しくありません。
このようなリスクがあるために計画通りの利益を得ることができず、初期投資に費やしたお金を取り戻せないこともあります。投資のためにローンを組んだ場合にはさらに切実な問題になり、投資をした結果として資産を失ってしまうリスクもあるのです。
しかし、この点に関して優れているのが投資用太陽光発電です。太陽光発電をして売電することにより利益を得るというのが基本的なビジネスモデルですが、このやり方は収益の安定性については突出しています。年間を通じてどのくらいの発電が可能かは予測するのがそれほど難しくないのが一つ目の理由です。
日照量に比例して発電量が決まる仕組みになっているので、一見すると発電量が安定しないのではないかと懸念されてしまいます。曇っているときには発電量が減ってしまうのは確かで、雨や雪の日には全く発電できないことすらあるのも事実です。
しかし、年間を通してトータルで見ると日照量は毎年大きな違いはなく、長期的な投資をすれば平均化して考えることができるため、想定していたような利益を得られることが多くなっています。
二つ目の理由として挙げられるのが売電価格が安定していることです。投資用太陽光発電の場合には二十年間は売電価格が同じになっているので、売電価格の変動によるリスクがありません。
国が太陽光発電などのクリーンなエネルギーの産生を奨励している影響で、長期間にわたる売電価格の安定を保証してくれているからです。少なくとも二十年で利益が上がるように計画しておけば安心して投資できると言えるでしょう。
三つ目の理由として投資費用を見積もりやすいという点も挙げられます。太陽光発電は最初に設置する土地や建物を獲得し、さらに太陽光発電パネルを設置しなければなりません。その後もメンテナンスをしていかないと発電量を確保できなくなったり、故障によって発電できなくなってしまうリスクがあります。
しかし、メンテナンスをどの程度の頻度でおこなう必要があり、その際にどのくらいの費用がかかるかも過去の実績からかなり正確に把握することが可能です。パネルの価格も相場が安定してきているため、初期投資にどれくらいの予算が必要かも簡単に見積もることができます。
初期費用もランニングコストも見積もりやすいことから、長期的な利回りを試算しやすく、当初の計画通りに利益を得られる可能性が高いのです。
リスクが全くないわけではないので注意
太陽光発電による投資は利回りが安定しているのは魅力ですが、全くリスクがないわけではありません。予期せぬ事態によって大きな出費が必要になってしまうこともあるのは気を付けなければならない点です。代表的なのが自然災害によるリスクで、地震や津波などによる被害を受けると全く利益を得られなくなる可能性があります。
太陽光発電パネルを設置した場所で地震や津波などの自然災害が発生し、パネルが壊れてしまうと発電できなくなってしまうからです。大雪や噴火などのさまざまな自然災害がリスク要因となってしまうのは念頭に置いておく必要があるでしょう。
このようなリスクを低減させるためにどこにパネルを設置するかを熟慮することも大切です。また、保険に加入することで万が一の事態に備えておくことも投資用太陽光発電を始めるときには検討しておくべき点として知られています。
一方、人災によるリスクも秘めていることも忘れてはなりません。悪意のある人が太陽光発電パネルを壊してしまう場合もあるため、セキュリティーを確保しておくことが利回りを安定させるためには必須です。
人気がない場所のほうが土地は安い傾向があるものの、人災による被害を受けてしまうリスクも高いことは覚えておくと良いでしょう。もう一つのリスク要因として挙げられるのが周辺環境の変化です。日照量を十分に確保できる土地を手に入れてみたものの、隣接する土地に高層ビルが建てられてしまって日照量が減ってしまうということはあり得ます。
特に狭い土地を手に入れて少額投資をしようというときにはリスクが大きくなりがちなので、周辺環境が変化する可能性はよく吟味しておきましょう。開発が進んでいる地域では土地が安く手に入り、投資に向いていると考えてしまいがちです。
しかし、周辺の土地を買って建物を建てようと考えられてしまうリスクも高いので利回りの安定性を確保するうえではリスクが高いことは否めません。
早めに始めたほうが安心できるのも特徴
利回りの安定性を確保するためにはできるだけ早めに投資を始めることも重要です。現状として国が売電価格を長期にわたって保証してくれていますが、その状況がいつまで続くかはわかりません。売電価格もだんだんと下がってきていることから、できるだけ早く始めたほうが利益を大きくしやすいというメリットもあります。
また、売電価格の保証が終わってしまった後のことを考えても早めに始めるのが得策です。利益を得やすい投資方法として注目を浴びてきた影響で、多くの人が投資用太陽光発電をおこなうようになりました。結果として太陽光発電による電力供給が過多になりつつあり、保証期間が終了してしまった後にどのようにして電力を使うかを決めるのが難しくなってきています。
安い価格で買い取ってもらうか、全て撤去してしまって土地などを売るという出口戦略を考えるかは、できるだけ早く始めたほうが判断しやすくなるでしょう。二十年程度という長期的な投資になることも考慮すると、若いうちに始めたほうが初期投資として費やしたお金を取り戻しやすいので安心です。
太陽光発電による投資は他の投資方法に比べて利回りが安定している傾向があります。売電価格が二十年にわたって保証されていることに加えて、日照量も安定していることが多く、投資費用もどのくらいになるかを見積もりやすいからです。安定した利益を上げられるようにするには早めに始めることも欠かせません。売電価格が保証されるのがいつまでかはわからず、出口戦略の検討も必要になるからです。
また、投資リスクが全くないわけではなく、自然災害や人災、周辺環境の変化などによって発電できなくなってしまう可能性もあります。安定して利益を上げられるようにするために十分に立地などを考慮して始めることが大切です。