太陽光発電は光エネルギーを電気エネルギーに直接変換する発電方法で、現在ではさまざまな場所で太陽光発電用の太陽電池パネルを見かけることができます。この太陽光発電には普段使っている電気を賄う程度のものから本格的な発電施設として稼働しているものもあり、また投資用太陽光発電もあります。
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電気の固定価格買取制度とはなに?
固定価格買取制度はFIT制度とも呼ばれ、国の政策として再生可能エネルギーで発電した電気を国が定めた価格で一定の期間、電力を買い取るように電力会社に義務付けた制度になります。再生可能エネルギーには風力発電やバイオマス発電などがありますが、もっとも身近な存在は太陽光発電であり、一般家庭にまで広く普及したのもこの固定買取制度が大きく影響しているものです。
固定価格買取制度そのものは、太陽光発電が登場した頃から行われてきたものですが、より本格的に開始されたのが2012年からで、2011年の東日本大震災によって電力事情が悪化したことが大きく影響しています。期間は20年ですが、この制度により設置がしやすい太陽光発電は爆発的な普及を見せて、設置するのに必要な機器も安くなり投資した金額を十分に売った電気料金で回収することが可能です。
一方で太陽光発電では日照条件が良い場所であれば、頻繁なメンテナンスを行わなくても発電できるため、地方の遊休地などを使った投資用太陽光というものも登場しています。
新しい土地活用としての投資用太陽光
太陽光発電といえば、既存の建物の屋根や屋上などに設置するというものですが、近年は土地活用として設置するケースも珍しくありません。実際のところ日照時間の良い場所であれば十分に投資した金額を回収できるだけの電気を作ることができます。このため、すでに土地を有している場合には、それを活用するために行うケースが増えているものです。
一方で、そのような土地を持っていなくても行えるのが投資用太陽光と呼ばれるものになります。これは土地と太陽光発電をセットにして販売しているもので、収益物件の一種です。太陽光発電を自力で設置するためには、設置するための場所を用意する必要があるほか、設備も作らなければなりません。
これらを一から行うのは難しいものですが、投資用太陽光ではそれが最初からセットになっているので、手軽に購入することができます。もちろん、固定価格買取制度によって投資した分の金額を十分に回収することができますし、大規模に開発されたものであればスケールメリットを生かして投資金額も抑えることができます。
投資としてみる太陽光発電のメリット
太陽光発電は固定価格買取制度によって20年間は買取価格が変動しませんから、これによって投資した資金の回収が容易になっています。投資にも色々とありますが、長期的に資産形成を考えるのであれば不動産投資がベターと言われますが、その不動産投資でも太陽光発電に強みがあるものです。
メリットとしては、太陽さえ当たっていれば発電を行ってくれますからマンション経営のような空室リスクがありません。マンション経営での空室リスクは収益性をひどく悪化させることになり最悪の場合には赤字になりますが、太陽光発電ではそのようなリスクがないことです。
また他の再生可能エネルギーと比べて、その発電方法は静的なもので騒音を発生させないため自然に与える影響もほとんどありません。ただ、気をつけなければならないのは太陽電池パネルによる反射などで、その点で住宅地に設置する際にはトラブルの原因になります。その点で投資用太陽光の場合には、住宅地から離れた場所に設置されたものも多く住環境を悪化させる要素を最小限にしているので、継続的な資金の回収ができるものです。
投資用太陽光発電にしても立地が重要
太陽光発電のメリットは太陽さえ当たれば発電してくれることで、メンテナンスもほとんど発生しません。また投資用太陽光発電の場合にはある程度、まとまった規模となりますからスケールメリットからメンテナンス費用が小さくて済みますし、分譲型のものであっても組合で一括してメンテナンスを行えば、費用を抑えることが出来ます。
一方でリスクもあることに留意することが大事で、特に自然災害のリスクが大きいものです。これらは土地の選定や施工方法によって大きな差が出るものです。強風などでパネルが飛ばされたり断線する程度であれば修理も比較的容易ですが、浸水するような地域では施設のすべてが全滅する可能性があります。
それに土砂崩れが起こるような地域も同様で、太陽光発電では重量物を設置しないとはいえ地盤が弱い場所には設置すべきものではありません。固定価格買取制度の20年間を待たずに施設が失われるということにもなりかねず、せっかく投資した資金が回収できないばかりか持ち出しとなる可能性があります。このため立地は、太陽光発電を行う上でも重要な要素です。
不利になる固定価格買取制度の価格
固定価格買取制度の前身には、再生可能エネルギーに対する普及策として1990年代に電力会社が自主的に行ってきたもので、また国も支持してきたものでしたが、実際にはCO2削減を目的にしたもので投じた資金を回収することは困難なものでした。
このため2005年には自治体の補助金制度が打ち切られるなどして、一時太陽光発電の普及率の伸びは縮小しましたが2011年の東日本大震災などで電力事情が悪化したことから、国の政策として固定価格買取制度がスタートしたものです。この固定価格買取制度では再生可能エネルギーによって発電されたものですから太陽光発電だけに限ったものではありませんが、太陽光発電がもっとも設置しやすく資金回収も容易であったので爆発的な普及を見せています。
当初の買取価格は1kWhあたり48円というもので、これが20年間行われるものしたが、太陽光発電そのものが十分に普及したことや電力会社の事情で買取するための資金を捻出するのが難しくなったことなどの影響によって、現在では10kW未満では24円から26円となっています。
投資用太陽光発電で有利になるポイント
投資用太陽光発電を選ぶ時には固定価格買取制度の仕組みを理解しておくこともポイントです。これは発電出力によって価格が変わるためで、家庭などで取り付けられる10kW未満のものでは、2019年度では24円から26円となっています。価格が高いのは出力制御対応機器設置義務がある場合で、東京電力、中部電力、関西電力を除いた地域では設置しなければなりません。
一方で区分としては10kW以上500kW未満では2019年では14円と消費税分であり、500kW以上は入札となります。ポイントとしては10kWを少し超えた程度では不利になるということで、投資用太陽光発電でもひとつの区切りとなっています。
固定価格買取制度の価格は下落傾向にありますが、そのぶん太陽電池パネルやパワーコンディショナーなどの機器も価格が下がっており、現在でも十分に投資した分だけの資金を回収することは可能です。このさいには少しでも買取価格が高い仕組みを選び、有利なものを購入することがより早く資金を回収する上では欠かせません。
太陽光発電は固定価格買取制度によって、投じた資金が回収できるような配慮がされています。しかし固定価格買取制度の価格は下落傾向であるため、投資用太陽光発電を利用する場合には立地はもちろん、購入者に対して有利になるようなものを提供しているところを選ぶことが大事です。また将来のメンテナンス費用も含めて購入を検討することが失敗しないためには必要なものになります。