これから再生可能エネルギーへの投資を行うならば、太陽光発電投資とパネシェアのどちらを始めたほうがよいのか迷う人も多いことでしょう。投資は自分に合った方法でなければ、利益を上げるのは難しいものです。そこで今回は、太陽光発電投資とパネシェアの違いを解説します。これから投資を始める際の参考にしてください。
パネシェアとは
パネシェアとは、太陽光発電所をシェアできるサービスです。パネシェアは、代表事業者と共同で発電所のオーナーになります。通常であれば、発電所を買うに土地や設備などの多額の費用がかかりますが、パネシェアではシェアして購入するため、みずから支払う料金を決めることが可能です。そのため、まとまった大金がなくても発電所のオーナーになれます。
さらに、パネシェアはメンテナンスや設備の交換・維持を行う必要もありません。発電所の知識に自信がなくても、投資コストを抑えてオーナーになれるのがパネシェアの最大の特徴といえるでしょう。
仕組み
パネシェアは発電所をみんなで共同事業者として買い、代表事業者(パネシェア)へ保守や管理業務を委託します。パネシェアが保守・管理業務を担当し、販売まで行ってくれるので、オーナーになれば販売所の購入量に応じて、電力会社からの買取り代金を毎月、分配金として得ることができるのです。
不動産投資の家賃収入のようにオーナーとして発電所を購入した権利を持っていれば、分配収入を得られる仕組みです。分配金は購入額によって上がっていきます。また、購入した発電所は契約期間が特別に決められておりません。そのため、自分の好きなタイミングで売却することも可能です。
パネシェアのメリット
ここでは、パネシェアを実際に利用すると得られるメリットを確認していきましょう。メリットを知ることでイメージが湧きますからね。
少額から始められる
パネシェアは少額から投資をスタートできるメリットがあります。パネシェアでは発電所を1ワット単位から販売しており、500円以下から購入が可能です。自分の予算に合わせて発電所のオーナーになることができるため、実物資産への投資をするハードルは低いといえるでしょう。初期費用を抑えて始められる点はメリットになります。
メンテナンスを任せられる
通常ならば発電所のオーナーになれば、自ら定期的なメンテナンス・点検を行う必要があります。メンテナンスには時間とお金がかかるため、コスパのよいものではありません。管理を怠れば太陽光パネルが汚れたり、破損したりする原因になり発電量の低下につながります。発電量が減れば収益率も低下する場合もあるでしょう。
その点、パネシェアならば手間のかかるメンテナンス・点検は不要です。すべてパネシェアが面倒な作業を代わりに行ってくれます。しかも、メンテナンス費などの追加請求もありません。手間と維持費がかからない点はメリットといえるでしょう。
火災保険も充実している
パネシェアは火災保険も充実しています。起こりえる未来を予測した保険内容に加入済みです。一例として、火災・落雷・爆発・衝突などから自然の脅威によって発生する風災・雹災・雪災まで備わっています。万が一、事業が倒産したり、部品などの盗難にあったりした場合も保証。保険の内容が充実しているため、安心感を持って投資に集中できる点はメリットのひとつです。
管理がスマホで可能
パネシェアではスマホから手軽に購入や管理ができます。サイトやアプリは24時間いつでも取引可能であるため、好きなタイミングで欲しい分だけ購入ができるのです。わざわざ業者へ出向いて相談したり、金融機関への申し込みをしたりする手間がかかりません。いつでも、どこでもスマホひとつで簡単に投資ができるのはメリットといえるでしょう。
パネシェアのデメリット
メリットだけではなくパネシェアにはデメリットもあります。事前にデメリットを抑えておけば対策を取ることもできますから、ここで確認しておきましょう。
短期では稼ぎにくい
パネシェアは毎月、発電量を販売した利益から分配金が得られます。買い取り価格はある程度決まっているため、短期的に大きなリターンを狙う投資としては不向きです。株式投資のように1回で大きな利益を狙うよりも、長期でコツコツ安定して収益を積み重ねるタイプになります。そのため、短期間で収益化したい人にとってはデメリットといえるでしょう。
マージンがかかる
パネシェアでは、メンテナンス・点検の追加請求はありませんが、購入する際に手数料として含まれています。余分に費用がかかってしまい、予算オーバーになる場合もあるでしょう。パネシェアも事業として運営していますから、ボランティアで作業しているわけではありません。なるべくオーナーの負担を減らせるように追加請求はしませんが、初期費用がかかる点は仕方がないことです。とはいえ、自ら維持・点検を行うことを考えれば大きなデメリットではないでしょう。
太陽光発電投資のメリット・デメリット
ここまでパネシェアの特徴を紹介しました。一方の太陽光発電投資のメリット・デメリットもそれぞれ確認しておきましょう。
利回りが高い
太陽光発電投資はほかの投資商品に比べて利回りが高い傾向にあります。利回りは安定しているものではありませんが、一般的に平均10%前後です。利回りが高ければ、投資資金を短期間で回収できるメリットがあります。たとえば、1500万円の物件を購入して利回りが10%だった場合、わかりやすく諸経費を抜いて単純に考えたとして、年間150万円の利益が出るでしょう。
つまり、10年間で初期費用である1500万円を回収できるのです。翌年の11年目からは150万円の利益を得ることが可能となります。利回りが高いことで回収期間が短くなるのはメリットのひとつです。
ローリスクで投資ができる
太陽光発電投資の販売価格は、固定価格買取制度が採用されています。固定価格買取制度とは、20年先まで同じ価格で電気を売ることができるものです。20年という期限が決まっていますが、その間は景気の動向に関係なく、一定の料金で販売することが可能なのはメリットといえるでしょう。販売価格が一定しているため、得られる収益も安定します。そのため、ローリスクで投資を始めることができるのです。
節税制度がある
太陽光発電投資は節税の対象になります。売電や発電所の違いによって適用できるものが違いますが、少しでも節税できるのは嬉しいメリットのひとつです。たとえば、消費税還付が受けられます。消費税還付は、消費税を納税する代わりに設置する際にかかった消費税が返ってくる制度です。投資コストを抑えてお得に運用できる点はメリットといえるでしょう。
収益は天候に左右される
残念ながら天気の変化によって、発電量が左右されてしまう場合があります。そのため、発電量を安定して確保するのが難しくなるケースがあるのです。天候の変化は自然現象であるため、みずからの力で管理できない点が大きなデメリットになるでしょう。
出力制御の影響を受ける
忘れてはならないのが出力制御の存在です。出力制御とは、電力が消費量より多くなれば、発電量を抑えようとする措置になります。措置が実行されると電力が供給過多の状態になり、売電することが一時的にできなくなる場合があるのです。一時とはいえ、利益に影響を与える問題なのはデメリットといえるでしょう。
太陽光発電投資とパネシェアを比較
それぞれのメリット・デメリットをお伝えしました。ここでは、実際に利用したときに気になる「初期費用」や「収益率」に注目して比較をします。
初期費用
一般的に太陽光発電投資は土地や設備を含めると1500万円~2500万円が相場になります。個人で購入する場合は、金額も大きいのでローンを組む必要も出てくる可能もあるでしょう。一方のパネシェアはひとつの太陽光発電所を共同で所有するので、自分の予算に合わせて投資を始めることができます。
パネシェアでは500円以下から少額スタートが可能です。初期費用という観点から見るとパネシェアの方が参入障壁は低いことが伺えるでしょう。
収益率・リスクの違い
太陽光発電の利回りは平均して10%前後になります。そのため、回収も短期間になりリターンも高くなりやすいです。
一方のパネシェアは利回りが6~7%です。共同運営ということもあり、リターンは太陽光発電投資に比べるとやや劣ります。そして、共に天候や災害いによるリスクは同じです。
まとめ
今回は太陽光発電投資とパネシェアの違いについて、それぞれのメリット・デメリットを解説しました。太陽光発電投資は土地や設備をすべて購入する必要があるのに対し、パネシェアはひとつの発電所を共有して保有する大きな違いがあるのです。そのため、初期費用にかかる金額にも差が出てきます。太陽光発電投資は知識と経験がある人向けで、初めて投資する人にはパネシェアが始めやすいといえるでしょう。