太陽光発電は、太陽光を利用して作った電気を自宅で使うだけでなく、余剰分を電力会社に買い取ってもらうことができるようになっています。
昨今では太陽光発電を利用した投資話を持ち掛ける詐偽が多数発生しており、国民生活センターにも相談が寄せられている状態です。
なぜ太陽光発電詐偽が発生してしまっているのか
太陽光発電の名前は良く知っていても、そのシステムまでは良く知らないと言う人は少なくありません。知識が不十分のときは、業者が嘘の情報を言ってきたとしてもそれが本当のことなのか嘘なのかは中々見抜けません。儲かると言われればその言葉を鵜呑みにしてしまって、結果的にたくさんのお金を投資してしまい、大損してしまうと言う場合もあります。
実際、詐欺は昔からおこなわれおり、特に新しい分野に関してはまだまだ知識が普及していません。そういった分野は詐欺の温床になる傾向にあります。ですが、太陽光発電投資詐欺自体はいくつもの手口があると言うわけではなく、ある程度限られた手口でおこなわれている状態です。手口さえ知っていれば、被害に遭うこと自体を食い止められるので、まずはどのような手口でおこなわれているかを知っておくと良いでしょう。
嘘がたくさん織り交ぜられている甘い言葉
太陽光発電の大きな魅力は売電だと言っても決して過言ではなく、それを上手に利用すれば利益を出すことも決して不可能ではありません。また、電気の買取り価格は20年間その価格が固定されるので、安定した収入を得ることも十分可能となっています。その利点だけを前面に出し、太陽光発電投資をおこなわせようとする業者は存在していますが、太陽光発電投資はあくまでも投資なので、100%儲かるとは限りません。
しかし業者は甘い言葉を言って、投資させようとしたり、工事をおこなわせようとしたりします。またここで注意しておきたいのは、言っている内容がすべて嘘ではなく、嘘と本当を上手に織り交ぜているので、なかなか嘘だと気づきにくいということです。その結果嘘を見抜くことができずに工事を依頼してしまうと、実際には通常よりも高い金額を請求されてしまうケースも発生しています。
もちろん太陽光発電自体はある程度まとまった費用が必要となるシステムですが、現在では以前に比べると価格も下がってきています。しかし現在の相場を正確に把握している人は少ないため、相場よりも高い額が請求されてしまうということもあり得ます。もちろん相場を知らなければ、その請求額が高いのか安いのか、それを判断することはできず、知らないうちに高額な支払いをおこなってしまうということもあります。
また、金額はある程度相場どおりでも、その工事内容がかなり雑になってしまうと言うことも珍しくありません。粗悪なパネルを利用しているというだけでなく、実際に太陽光発電システムを導入しても当初の説明通りの発電量が期待できない場合もあります。気を付けておきたいのは、雑な工事をされてしまうと発電量が期待できないと言うだけでなく、何かのトラブルが発生してしまう可能性が出てくるということです。システムに不具合が出てくるだけでなく、火災などが発生してしまう可能性もあるので、とても危険だといえるでしょう。
また、突然自宅に訪問して来て、キャンペーン中なので今すぐ契約をすれば実質ゼロ円で可能といった言葉を言われる場合もあります。しかしそんな甘い話があるわけはありませんし、何より実質ゼロ円にするためには何かからくりが必要です。しかし対面で急かされるとどうしても正しく判断できなくなってしまう場合もあるので、十分気を付けましょう。特に高齢者は騙されやすい傾向にあるので、必ず周りの人が一緒に考えるようにすることが被害を防ぐためにも必要なことです。
事業への出資を促すタイプの詐欺
太陽光発電投資と言うと、一般的には自分の所有している太陽光パネルを利用して投資をおこなう形をイメージする人が少なくありません。実際に発生している詐偽のケースとしては、太陽光パネルを屋根に設置させて高額な費用を請求すると言う形だけでなく、太陽光発電事業に出資させるケースも発生しています。
この場合、消費者は自分の家の屋根にパネルを設置する必要はなくなるので、ある程度手軽に投資に参加しやすくなると言うメリットがあります。しかし実際に出資しても全く配当金を受け取ることができないと言う場合も発生している状態です。太陽光発電投資は高利回りなので、他の投資に比べてもある程度多くの利益を得ることが期待できます。しかも自分の家の屋根にパネルを設置する必要がないので、人によっては何口も出資してしまう場合もあります。
もちろんすべての業者が詐欺行為をおこなっているわけではないので、出資して配当金を受け取っている人も実際に存在しています。しかし、本当にその話が詐欺なのかどうか判断するの難しいので、十分注意しましょう。また、このような場合、配当金が来ないからと言って業者に連絡をしても、すでに連絡が付かない状態になっていることも少なくありません。また、書類に書かれている住所に会社が存在していない、電話番号は使われていない、そもそもその業者の存在がないということもあり得ます。こうなってしまうと訴えたくても相手を見つけることができずに結果的に泣き寝入りとなってしまう可能性も出てきます。
詐偽行為をする業者は、相手にばれたときのことを考えて最初から行動を起こしているので、簡単にしっぽをつかませてくれるわけではありません。何か変だと感じてもそのまま放置してしまったり、被害に遭っていてもなかなか誰にも相談できないままになってしまうと、どんどん相手は逃げていってしまいます。被害を拡大せずに支払ったお金をできるだけ取り戻すためにも、変だ、騙されたと感じたらすぐに行動に移すことが必要です。この場合、業者の身元を確認し、さらに契約を結ぶ前に必ず太陽光発電に関して良く理解しておくようにしましょう。正しい知識をもつことで相手が話している内容の真偽を判断しやすくなり、結果的に自分を守ることにも繋がります。
太陽光発電投資を利用した詐欺被害は実は多数発生している状態ですが、その原因となるのが太陽光発電に関する知識が少ないことが関係しています。実際の手口としては無理に契約させる、高額な工事費用を請求する、雑な工事をして何らかのトラブルが発生するなどです。また太陽光発電事業への出資を募るタイプもあり、この場合は出資したにも関わらず全く配当金が来ないケースなどが発生しています。業者は消費者側にまだ太陽光発電に関する知識が少ないことは熟知しているだけでなく、話には真実と嘘をうまくミックスして話します。だから正しい知識がなければその話が正しいのか嘘なのか、それを判断すること自体できず、被害に遭ってしまうケースが多数発生しています。まずは太陽光発電の相場を知ること、そして太陽光発電事業に関しても正しく理解しておくことで、自分を被害から守ることに繋がります。